『武士道』初登場で第8位、三笠書房

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日経MJを読み解く!

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 ◆◆◆ 日経MJに見るマーケティングの戦略・戦術 310号 ◆◆◆

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     〜〜〜【マーケティング 今日のポイント】〜〜〜
        すべての企業はお客の問題解決業である。
    「これならできる」とお客が感じられる商品を作ろう。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ━━━━━━━━━━━━ 2004年1月31日付日経MJ11面 ━━━━━

 今日は、新渡戸稲造の『武士道』が売れているという記事です。

 ■「読みやすくする工夫を加えた三笠書房の単行本は、初登場で8位に
 ランクインした。」とのこと。

 ■「先達の築いた武士の心得は日本人男性の自尊心をくすぐる。唯一の
 超大国とされるアメリカの映画で取り上げられたとなればなおさらだ。」
 と売れている背景を分析しています。

             それで、↓↓↓

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  ナルホド、ナルホド … ピンと来た!(^o^)
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 ●武士道に関する本としては、『葉隠』や『五輪書』、『武道初心集』、
 『武教小学』等江戸時代の人が書いたものがあり、現代の研究者が書い
 たものも多数あります。それぞれ映画の影響で売り上げを伸ばしている
 かもしれませんが、この『武士道』はどうも別格のようですね。

 ●なぜ新渡戸稲造の『武士道』は現代人に受けるのでしょうか。これは、
 「日本人が英語で書いた本」です。めずらしいですね。100年前にアメ
 リカで大ベストセラーになり、当時の大統領、セオドア・ルーズベルト
 も一読して武士道のとりこになったそうな。

 ●他の武士道本は、日本という閉じられた空間の中で書かれており、か
 つそれぞれが自分の主張を訴えたもので、非常に狭い世界を描いている
 趣きがあるように感じます。「プロ向け」的で、一般の人にとってはち
 ょっととっつきにくいでしょう。

 ●それに対して『武士道』は、キリスト教信者で英語に堪能な日本人が、
 最初から欧米人に武士道を紹介するために書いたものなので、武士道の
 入門書としてわかりやすく、一冊読めば全部わかったような気にさせて
 くれます。武士道を知らない現代の日本人にもピッタリです。

 ●それと、原文が英語で書かれたということは、日本語への翻訳の仕方
 さえ変えれば、いつの時代でもその時々の「現代文」で書けるというこ
 とですね。すでに数人の翻訳家が携わっているようです。

 ●ところで、武士道は、仏教、神道、儒教それぞれの思想を融合して出
 来あがった考え方ですけれども、特に江戸時代以降は儒教の影響が強か
 ったようです。

 ●儒教思想は、日本では完全にすたれてしまいました。明治初期に、福
 沢諭吉が『学問のすすめ』で人々にすすめた学問は商業などの「実学」
 です。それに対するものは「虚学」、つまり、ただ文字を読み解くばか
 りになりがちで、生きるのに役立たないものです。当時の儒教です。

 ●福沢諭吉は孔子を否定したわけではなく、あまりにも形式に流れてし
 まった儒教を「腐儒」などと呼び、単に知識をひけらかすだけのような
 姿勢を軽蔑しました。それが日本を行き詰らせていると考えたのでしょ
 う。『学問のすすめ』では、新しい方向性を示しました。

 ●この本は、現在で言えば100万部のベストセラーに匹敵するほど売れ
 たようです。明治の人はこんな思想的な本を読んでいたのですね。きっ
 と「武士道なんて古い」という考え方が根付くのに役立ったでしょう。

 ●福沢諭吉の考え方は、当時の日本を前に進めるためには必要だったと
 思います。しかし、「過ぎたるは及ばざるがごとし」と論語にあります
 が、実学重視が行き過ぎて、今度は精神教育がなおざりになってしまい
 ました。そして今日の日本があります。

 ●現代の日本人に『武士道』が売れているということは、閉そく状態を
 打破するために何が必要かと考え、自分たち日本人を掘り下げてみたら、
 武士道に行き当たったということなのかもしれませんね。私のように。

 ●企業経営者の方の中にも武士道好きは多いようです。死を覚悟して戦
 いに挑む武士の姿に、ご自分の事業にかける姿勢を重ねているのではな
 いでしょうか。

 ●つまり、『学問のすすめ』にしても『武士道』にしても、当時あるい
 は今の人々が直面している問題(=ニーズ)を解決するものが売れてい
 るということです。人が価値を見出すのは、自分がぶつかった大小さま
 ざまな壁を乗り越えさせてくれるものなのです。

 ●しかも、「これなら読める」「これならできる」と感じられるものに
 対して対価を払います。ターゲットのレベルをよく考え、「とっつきや
 すい」と感じさせる商品作りや、PRをしましょう。
 
 ――――――――――――― 今日はここまで (^o^) ―――――――

 ■■■ちょっと一言

 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」。言わずと知
 れた『学問のすすめ』冒頭の一文です。明治の初期で、士農工商の身分
 制度が色濃く残っている時期に、元武士の福沢諭吉が発したこの言葉は、
 人々の心をぐっとつかんだでしょうね。

 維新政府はものすごい構造改革をやり遂げました。例えば「廃藩置県」
 なんていうのは、もと藩の殿様の権威権力がまったくなくなってしまう
 わけですから相当な抵抗が予想されるわけですが、新政府は軍事力を背
 景にして押し切ってしまいました。「断行」という言葉がふさわしい感
 じです。今やっている構造改革と比べてみましょう。(^_^;)

 福沢諭吉も新渡戸稲造も現在、紙幣に肖像が印刷されていますが、この
 秋から新紙幣に変わり、福沢諭吉(1万円札)はそのままで、新渡戸稲
 造(5千円札)は樋口一葉になります。『武士道』が売れているだけに
 残念です。ちなみに夏目漱石(千円札)は野口英世に交代です。

 明治のことを書いたせいか、やけに漢字が多くなりました。(#^.^#)

 

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