手作り惣菜で大手に対抗、ぎゅーとら

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日経MJを読み解く!

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 ◆◆◆ 日経MJに見るマーケティングの戦略・戦術 284号 ◆◆◆

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     〜〜〜【マーケティング 今日のポイント】〜〜〜
            強者にも弱点は必ずある。
       そこを徹底的に突けば、活路は開ける。

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 ━━━━━━━━━━ 2003年12月16日付日経MJ4面より引用 ━━━
 
 ■三重県内に集中展開する食品スーパー、ぎゅーとらが手づくり惣菜と
 生鮮食材の品ぞろえをテコに地域シェアを拡大している。価格より商品
 の鮮度と品質にこだわり、仕入れ権限も各店舗に分散する戦略は、2期
 連続の増収増益を生み出す原動力となっている。

 ■常時280品目が店頭に並ぶ惣菜は添加物ゼロ。加工工場では1200強の
 メニューをシステムで管理し、各店別の売れ筋商品を分析して1日5便
 体制で運び込む。長年の販売データをもとに天候や気温を考慮しながら
 当日中に売り切る量だけを生産する仕組みを作り上げた。

 ■ぎゅーとらの強みは売上高の14%を占めるこの惣菜部門だ。23店舗は
 すべて惣菜工場から1時間以内で配送できる三重県内に展開する。「惣
 菜の鮮度を保ち、地域シェアを高める」(清水良英社長)ためだ。

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 ●私はジャスコ時代、三重県の名張店に勤務していましたが、ぎゅーと
 らは近所にはありませんでした。もし当時このようなスーパーが近くに
 あったら、強者対弱者の戦いとはいえ、相当苦戦したことでしょう。

 ●世の中は弱肉強食であり、弱い者の肉は強い者に食べられる運命にあ
 ります。よって、基本的には弱者は強者と戦ってはならず、自分よりも
 さらに弱い者を倒して、少しずつ力をつけていくしか、生き残る道はあ
 りません。

 ●しかし、強者が襲い掛かってきて避けるすべが無いときは、座して死
 を待つよりも、戦って万に1つの生きる望みに賭けることになります。
 その際に活用する戦法を、ときに「弱者の戦法」と呼びます。

 ●社長の清水さんが掲げた行動指針「ダメでもともと」は、死地に追い
 詰められた軍のリーダーがメンバーを開き直らせ、果敢に敵を攻撃させ
 て活路を開くときの言葉です。これがもし逆に「失敗は許されない」な
 どだったら、社員は縮こまって身動きできなくなるでしょう。

 ●清水さんのとった戦略は、弱者の戦法の1つである局所優勢主義です。
 まずは徹底的に惣菜にこだわりました。生鮮品や惣菜は、全社的な物流
 システムで動く大手スーパーにとっては弱点となりがちな部門です。ど
 の局所に的を絞るかは、当然ながら強者が不得手とする部分を狙うので
 す。

 ●また、地域密着という点も大手スーパーにとっては弱みとならざるを
 えません。ぎゅーとらは三重県という局所で優勢ですね。地域密着とは、
 地域の人との密着です。店舗間の転勤が頻繁で、ときには全国規模での
 異動がある大手は、地域の人と仲良くなってもまたすぐに離れなければ
 ならなくなります。なかなか人脈が深まりません。

 ●さらに清水さんは、これも弱者の戦法として少数精鋭主義を採用した
 と言えるでしょう。強者というのは量的に弱者よりも大きいので、そこ
 に勝とうとすれば、少数でも質的には強者を上回る必要があります。

 ●そのために清水さんがやったことは、外部から優秀な人間を引き抜い
 てくることではなく、内部に本来ある力を引き出すことでした。仕入れ
 権限を現場に移管し、責任をもって売らせるようにしたのです。

 ●ただのサラリーマンだった社員が、事業主的な頭の使い方をするよう
 になったことでしょう。よほど力量に差が無い限り、責任が両肩にかか
 っている人間が、責任感の希薄な人間に負けるわけがありません。 

 ●清水さんは、惣菜部門の強化、地域密着など自社の方向性を明確化す
 るとともに「惣菜で半加工品は使わない」「出店地域は広げない」など、
 しないこともはっきりさせています。清水さん自身の頭の中がスッキリ
 していることがよくわかります。

 ●会社としての戦略がはっきりしていて社員にもわかりやすく、その戦
 略と具体策としての戦術(例えば、「各店別の売れ筋商品を分析して1
 日5便体制で運び込む」など)との整合性がきちんと計られており、か
 つ行動をするときの指針「ダメでもともと」が社員一人一人の積極性を
 生み出しています。

 ●このような状態にある企業は、弱者といえどもそう簡単に滅びること
 はありません。自社は、いずれかの局所で優位に立てているか、少数精
 鋭となっているか、ダメでもともとのチャレンジ精神はあるかなど、確
 認してみましょう。

 ――――――――――――― 今日はここまで (^o^) ―――――――

 ■■■ちょっと一言

 「ダメでもともと」とは「必死」と同意と考えていいでしょう。

 「どうせ死ぬのなら思いっきり戦って死のうじゃないか」という意味で
 「必死で戦う」などと言いますが、会社の場合は「どうせつぶれるなら
 思いっきりやれるだけのことをやってみようじゃないか。ダメでもとも
 とだ」となりますね。

 スポーツ等でも、例えば野球でピッチャーが「打たれたらどうしよう」
 と考えると腕が縮こまって余計に打たれますが、監督が「打たれてもい
 いから、ど真ん中に思いっきり投げろ」と指示を出すと、ピッチャーは
 勇気が出て腕を振り切ることができます。

 「最悪の結果になってもいい。結果は気にするな。今、目の前にいる敵
 に全力でぶつかれ」と上位の人から言われると、下位の者は力を発揮で
 きます。ついでに「責任は俺がとるから心配するな」と付け加えれば、
 部下は何も恐れるものが無くなると同時に、上司に心服します。

 「必死」とは、もともとは悲壮感を生むのではなく、心の奥に眠ってい
 るエネルギーを一気に爆発させる言葉なのです。(#^.^#)

 

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