「米唐番」開発、エステー化学の上月洋さん

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日経MJを読み解く!

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 ◆◆◆ 日経MJに見るマーケティングの戦略・戦術 172号 ◆◆◆

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    〜〜〜【マーケティング 今日のポイント】〜〜〜
       「売れるものを作る」のがマーケティング。
      リピーター確保まで考えて商品を開発しよう。

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 ━━━━━━━━━━ 2003年7月15日付日経MJ3面より引用 ━━━

 ■この春、全国のスーパーのコメ売り場に真っ赤な防虫剤が並んだ。エ
 ステー化学が発売した米びつ専用の「米唐番(こめとうばん)」だ。

 ■開発に取りかかったのは昨年春。マーケティンググループの上月洋マ
 ネージャー(39)は消費者調査を通じ、米びつの虫害経験率が72%に達
 するのに米びつ防虫剤を使ったことがある消費者は28%にとどまってい
 ることを突き止めた。

 ■「米唐番」の主成分は唐辛子エキスと酒精(発酵アルコール)。食品
 成分のみとし「食べても問題ない」(同)ほどの安全性を確保した。米
 びつ等の中で、つり下げたり直接コメの中に入れたりと、様々な使い方
 に対応できるようにした。

 ■ネーミングやパッケージにもこだわった。「見て分かる、聞いて分か
 る」(鈴木喬社長)がポリシー。

 ■発売4ヵ月で120万個を売り上げた。認知度を高める狙いも当たった。
 透明のパッケージを採用、減り具合が分かるため、買い替え需要も見込
 める。

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    わかったゾ!!! これぞマーケティングの極意なり。
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 ●上月さんは、消費者の実態を知り潜在ニーズを把握するところから、
 リピーターの獲得までのマーケティングの一連の流れをよく事前に頭に
 入れた上で行動しています。

 ●技術系のベンチャー企業は、「いいものを作りました。さあ買ってく
 ださい」という順番で商売をし、よく失敗します。これをプロダクト・
 アウトと言います。独り善がりで技術に酔いしれ、膨大な開発費をかけ
 て世の中であまり必要無いものを作り、倒産してしまいます。

 ●この反対が、マーケット・インです。まず市場で必要としているもの
 は何かからスタートします。これが市場調査であったり、POSデータ
 の分析であったり、直接のヒヤリングであったりするわけです。そして
 「売れるものを作る」よう努力します。

 ●営業マンでも、最初から商品説明ばかりするのがプロダクト・アウト
 型、相手のニーズを聞くのがマーケット・イン型ですね。ど迫力で売っ
 てしまうプロダクト・アウト型の営業マンがいますが、買う側は絶対に
 その場で契約しないことです。一種の暗示にかかってしまっている可能
 性があります。

 ●上月さんが目をつけたのは「消費者が困っているはずなのに、その問
 題を解決する商品が売れていない」点です。その次には「なぜ売れてい
 ないのか」を分析しています。そして、売り方と商品そのものの問題の
 両方を突き止めました。

 ●売り方については、商品分類が盲点になっていました。日雑と食品は
 スーパー等ではまったく分野が違い、人の交流もほとんどありません。
 日雑用品は日雑売り場に置くのがあたりまえです。よほど売り上げ金額
 が大きい商品でなければ分野を超えて商品を扱うことはしないでしょう。
 
 ●上月さんは「食品売り場のコメのそばに置いてくれ」とバイヤーに依
 頼したものと思われます。おそらく食品の担当者は、最初からいい顔は
 しません。自分の売り場に、自分の成績にならないものを置くわけです
 から。しかし、実際によく売れたら文句は言いにくいですね。

 ●商品の方は、既存商品に対して消費者が抱いている不満を解消するも
 のを作りました。そのうえ「どうしたらリピートするか」まで考えてい
 ます。洋服の防虫剤など、一度タンスに入れたら、効能が無くなっても
 気付かずに入れっぱなしになってしまうことがありませんか? 消費者
 は必要性に気付かないと買いません。

 ●上月さんは、「気付かせる仕組み」を商品に盛り込みました。コメは
 毎日食べるものです。ですから防虫剤も毎日目に触れます。そのとき、
 成分が減っていっていることが如実に分かれば、消費者は再び購入しま
 す。また、スーパーで見たときパッと目に入り、内容がわかるようにネ
 ーミングとパッケージを工夫しています。

 ●このような一連の流れは、現場で実際に行動してみないとなかなかわ
 からないものです。「なぜ買わないか」から「どうすればリピートする
 か」まで、上月さんは自分でスーパーへ足を運んだり、米びつに手を入
 れたりしながら頭を働かせたのでしょう。計算ずくでモノを売るには、
 周到な準備が欠かせません。

 ――――――――――――― 今日はここまで (^o^) ―――――――

 ■■■ちょっと一言

 どれくらい緻密に段取りやツールを準備するかが勝敗を分けます。私た
 ちは映画などでスパイや完全犯罪を狙う犯人などが周到に準備するのを
 見ることができますが、なかなか自分はやらないんですね。面倒くさい
 ですから。それを面倒くさがらずにどこまでやれるか、がポイントです。

 武田信玄は「嫌なことをせよ」と言ったそうです。深い言葉だと思いま
 す。だいたい嫌なことをしていれば、間違わないものですよね。楽な方
 へ逃げると、後ろから困難が追いかけてきます。困難に対しても主導権
 を握る方法が「嫌なことをせよ」だと思います。

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